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OUR
WORKS
事例紹介
学校断熱ワークショップや集う会の開催を支援

本州最北に位置する青森県でも夏の猛暑が影響し、例えばむつ市では2023年8月25日、市内にあるすべての小中学校21校が休校となる事態に。国では2018年以降、熱中症対策として学校へのクーラー設置が進み、現在設置率は95%を超えています。さらに快適な空間を作り、電気代を抑え、温暖化効果ガス排出量を緩和すべく、青森県では、住民自ら温暖化対策を進めようと取り組みが始まっています。「青森の温暖化対策を考える会」と弊機構は現在連携協定を結び、住民主体の取り組みを応援すべく、各種支援を行っています。会は2025年6月1日に、青森市立原別小学校にて、教室の断熱ワークショップを開催しました。⼩学校5、6年⽣以上の⽣徒や、保護者、大工、関係者、見学者などが集まり、およそ50名が参加。親子で気候変動対策としての断熱について楽しく体験しながら学ぶ機会となりました。会では、今回のワークショップを経て断熱の効果を実感してもらい、青森で断熱の重要性についてより理解を深めてもらいたいと、今後は市や県へ効果についての報告書等を提出し、公共施設への断熱改修などの具体的な気候変動対策が進むよう、働きかけを行なっていく予定です。
弊機構では、本事例のような、地域を盛り上げる脱炭素を進める地域のグループと連携し、情報・技術・ネットワーク面でサポートを展開して参ります。
参考:
青森市 原別小学校 断熱ワークショップ 特設ページ(⻘森の温暖化対策を考える会)
地域の産業を守る


私たちにとって当たり前の食や文化が、気候変動によって失われずこれからも地域の産業として続いていくためには、各分野ごとに早急な対策が必要です。
例えば、2024年12月にユネスコの無形文化遺産として登録された「伝統的酒造り」については、”酒蔵の酒造りに原料を提供する農家をはじめとする多くの地元住民の参画、それに伴うコミュニティの結束は、「平和と社会の結束」につながる”など、SDGsに対して貢献するとして評価されています。このように海外からの注目を集める日本のお酒も、気候変動の影響を受けています。農水省によれば、お酒の原料となるお米、「水稲」は、例年から影響発生の報告が多い農畜産物としてあげられており、現在問題となっているイネカメムシの大量発生など、高温や少雨によりお米そのものに影響が出ています。また、美味しい日本酒を作るためには、酒蔵の中の温度管理も重要なポイントですが、猛暑が続けば、今後より一層の対策が迫られることになります。このように、生産量の減少、管理の手間やコストの上昇、品質への影響などが既に懸念されており、地域の重要な産業のひとつとして、経済・雇用の面でも影響が波及しかねません。
日本酒のように、すでに影響が明らかになってきているものに加えて、まだ研究や調査が十分に揃っていない分野における調査活動や、今まさに課題に直面している現場の声などを集め、政策に繋げる活動を展開して参ります。
テーマ例:日本酒、味噌、お茶など
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課題の専門家として知見を提供


気候変動やプラスチック汚染、持続可能な開発等の課題解決に向けては、日本だけの取り組みでは不足し、国際的に適切な枠組み構築をし、課題に悩む途上国への支援を確保しながら、同時に先進国として日本が課題解決にむけてリードするよう働きかける必要があります。日本から国際交渉を緻密に把握し、交渉に影響を与えていくことができる団体は限られています。数少ない地球規模課題の国際交渉専門家として、交渉参画するとともに、国内に向けて最新の知見や情勢の共有等を行います。同時に、交渉に参画したい企業や自治体を支援し、効果的なパートナーシップや協働の場のデザインを行います。現在、弊機構では、SDGsや開発資金に関わる交渉、プラスチック条約に関わる交渉、そして気候変動枠組条約交渉に関わっています。
参考:
- 「国際協調の失敗?――プラスチック条約交渉の経過」
https://chihei.net/?p=1726
- 「気候変動に対する若者の危機感を政治はどう受け止めるのか」
https://plus.usio.co.jp/blogs/contents/2024-023